これで本当に、卒論というものと切り離された、はず。
・・・・・・卒業、できてればね!!!!!
単位はくれる、ってしんじてるの!!!!
たとえ「もう一年やらない?」とか言われていたとしても!!も!!!!
・・・・・・わすれよう。
会社の課題にまだ手付かずだったり予定がみっしりしていて気持ち悪かったりするのですが、
まぁ、がんばる。
とりあえずえするる。
・・・・・・あぁ、〆本も書かなきゃ。
(※死にネタ注意。三年後くらいに、狂信派との争いのなんかでるるたんが死んじゃったよ!みたいな話)
たん、たん、
と断続的に水滴の落ちるおとがした。それが何なのか確かめる気などもう、ない。
たとえそれが自分の腕から落ちつづけるもので、刻一刻重くなるパーツにさえ、興味などは。
『エスト、』
そんなものは、本当にどうでもいい。
ただ、求めてたまらなくて、焦がれてどうしようもない、まぼろしの掌の温度と優しい声がかすめていく。
そのひとはいつだって目にまぶしい、夢の詰まったキャンディのようで甘いピンクに、こぼれおちるやわらかな微笑みもおとぎ話を紡ぐような声音の一筋さえも染まる。鮮やかでふわふわなそれは限りなく彼に不似合いな色だったけれども、昔からずっと彼にとっての希望の色、だった。
鮮やかな。きらきらと。
ほほえみと、たったひとつの魔法の言葉で彼の未来を見事に染め上げてくれた。本当に、ずるいひとだ。彼女が言葉を降らすたび、世界は残らず沈んでいく。おぼれていく。
『――――すきよ。』
ただ、それだけで。
(貴方が僕の色に染まったなんて、とんだ間違いだ。きっと、)
彼の隅から隅まで塗りつぶし、それだけでは飽き足らず、未来さえも塗り替えた。あまりに理不尽で強引だ。
私は、殺しても死なないようなひとだから!
と根拠なく胸を張っていた、彼女の姿そのものが、いつだって理不尽でめちゃくちゃで。人の言葉を借りてしてやったり、と得意になる。だから、いつまでもまぶたに焼き付き耳朶に染み付き、脳裏に住まう。
ちがう。そうじゃなくて。
貴方だけは。殺されも死なせもしないと。
思っていた、思い上がっていた、だけだった。
(何を失ってもいい。他の誰かを害することになっても構わない。何を犠牲にしても守りたい、と。)
空白になった頭の中をただただ埋め尽くしていく言葉の羅列はひたすらに断罪であり、拒絶だ。彼女のいない世界そのものへと、それから、彼女を奪った相手と、彼女を奪った、自分自身へ。
まもれなかった。守れなかった。
―――――本当は、はじめから。僕さえいなければ僕さえ彼女を諦めて突き放して関わらなければ、
あの優しくてきれいできらきらしたあのひとは。あのひとは、ルルは。
僕が、
僕が貴方を好きにさえ、ならなければ。
そんなこと。なんて、無理な願いだったのだろう。
嘲笑うように息をつけば、かわりにごぼりと口から赤がおちる。
無感動に見下ろして、呼吸の代わりに幾度か赤い咳を繰り返し、笑う。
不透明な緑の瞳が振り返れば、滴のいってきさえ落とさず黙するしかばねが積み上げられていた。
いくつも、いくつも、いくつも、果てなく。20から数えることを止めたから、正確な数は知らなかったけれど。数なんて大事ではない。彼にとってそんなものいくら積んだとてたったひとりには叶わなかったから。
愚かなことだとか、意味なんてないことだとか、そんなことは重々承知していることだった。何より。
何より、あのひとは。そんなことを許しはしない。
だから、怒るならば怒って欲しかった。止めるならばとめてほしかった。
そんな、馬鹿なことを、思っていたらしい自分がひどくちいさないきものにおもえた。
「――――ルル、」
あなたがいないせかいは、こんなにつめたい。
もう息の仕方さえ分からない。
振り返れば。
貴女の笑顔があるような。
それはただの願望でまやかし。そして、きっと、絶望。
(っていうかむしろルルたんに謝れって話か)
(ちなみにえすとくんは、きっとるるたんを守りきってくれると信じている。・‥‥仮に自分が死んでも、とかつくけど)