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好きなものほど貶したい。テンションの変動はランダムです。
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北海道旅行してきました。

感想は後日、と思っていたら日が大分たってしまいました。
ふわふわしたりわくわくしたり、落ち込んだり不安だったり、まぜこぜっとなるのが旅行の醍醐味ですよね。うん。いつ窓の外に目を向けても雪、というのはやっぱりべつせかいにいるみたいでした。
雪が降ることが、自分にとっては非日常的なことだったので。
それが日常な世界は、つまり非日常であると。

ほんとなんか、窓から景色をみるだけですごく楽しくて。
さすがに三日目は寝ちゃったんですが、電車からの風景もぜんっぜん飽きなかった。
ゆき、しろ、ゆき、こおり、そら、
ばっかりで、本当に本当にきれいだった。
なんだかじぶんもまっさらなこころもちになれたような気がします。洗われるようだ、ってこういうことを言うのだろうか。うむ。

ちなみに友達のおうち(実家)に泊めてもらうのも初めてで、なんだかどうしていいかわからなかったですが(笑
粗相がなかったことを祈る。
わかんないよ!!
でも本当にお世話になりました。親切にしていただいて頭が下がるばかりでございます。
ごはんおいしかったし。妹さんがかわいかったし。(真顔

調子のっていろいろ買いましたが、一番の収穫は。
青いガラスの徳利+杯
か、
しろくまのぬいぐるみ(えすとくん)
で迷うところ。

しかし後者の気に入りっぷりは確実に名前のせいな気がする・・・・・とか・・・・・・うん。
まぁお気に入りになったので問題ないですね。
今もひざのうえです。
くそうかわいいなおまえ。





さてつづきはお約束した物。
家族計画の続きになりました。ちょうじょ+わるいおにいさん。
長女が「あるばろおにーちゃんのおよめさんになる!」っていう話も書きたいけれど。まぁ今回はぬるい感じで。本気で俺得でしかないんだけど、いいのかな・・・・・。







 少女は自分の父親をひどく尊敬していた。

 冷静で的確なところも好きだったし、厳しくてもきつくても言っていることは結局正しいところが好きだった。すずしげな横顔で、少女にはけして理解しえない難解な書物を造作なく読み進める姿や、どんな魔法でもひどくたやすく使って見せる姿に、幼い少女はまっすぐな尊敬とあこがれを込めて、とても好きだった。
 けれど一番すきなのは、母親や自分に向ける優しい表情でもあったのだけれど。
 
 とにもかくにも、父親にまつわるものが好きだったし、尊敬していた。

 が、しかし。

「あれ、なんだかご機嫌ナナメだね、どうしたの、オヒメサマ?」

 この、父の学友と名乗るおとこが、彼女は心底嫌いだった。
 飴色の瞳をこどもらしからぬ鋭さにすがめて、少女は目の前の派手なおとこに向ける。

「ほんとこどもって成長するのが早いなぁ。昔はもっとすなおだったのにさ。これが所謂反抗期ってやつ?」
「がくしゅうしただけです」

 まだたどたどしさの抜けない甘い声音は、反してぴしゃりとした拒絶のかたまりだった。それを愉快そうに眺めるおとこは、かすかに眉を寄せて笑う。

「へぇ、かわいくなくなっちゃって」

 わざとらしく悲しげな顔を浮かべてみせたりする、が、それが表面上だけのもので、実際は自分はばかにされているのだということを、聡明な少女はなんとなくではあるが、気づき始めていた。手に持っていたペンをにぎりしめ、

「そういうあなたは、少しもかわりませんね」
「つまり、俺っていつまでも若々しいってこと?」
「しんぽがない、ということです。あなたが父よりいつつも年上だなんて、しんじられません」
「こころが少年のようだ、とか言ってほしいなぁ」
「そう思いたいのなら、それでけっこうだと思いますが?」
「ほんと、きみ、なまいきになったね‥‥」

 エスト君に似過ぎなんじゃない?とつまらなそうに吐き捨てたけれど、そんなのはただのほめことばでしかない。
 そう言い返せば、淡く口元に笑みがうかぶ。いっそ穏やかなそれは。なぜだか。
 ひくく、したからのぞきこむ視線。挟んでいるはずのテーブルひとつぶんの距離など、意味がないことがわかる。一瞬で詰められた相手との距離に、彼女は素直な驚きをうかべる、だけ。

「ねぇ、おひめさま」

 あかいひとみが、目の前で、異質なもののようにひかる。三日月のような唇から、ちらりと見えた白い歯が、獣の牙のようにも見えて。しらず、ごくりと喉がなったのは。
 だいきらいなおとこだとか、両親の知り合いだとか、そんなことは関係なく。
 とっさに。反射で。
 生物的な、本能的な、きょうふ。
 おおきな瞳を凍ったように見開いたまま、逸らしたくとも逸らせない、意思をもってまぶたを閉ざすことすらままならない、目に見えないそれは、ある種の拘束。

「‥‥うん、まだ、可愛いね」

 たっぷりと間を置いて愉快そうに落とされた言葉で、ようやく見えない戒めがなくなった、ように感じた。
 言いようのない不気味さを押し出した後、少女に襲いかかるのは高めの矜持に見合った感情。おとこへの敵愾心と嫌悪感によって増長されるそれは。すなわち羞恥心と、敗北感による屈辱、だ。 

 ぽんぽん、とことわりなく頭に触れていたてを、問答無用ではたきおとした。ぱん、と渇いたおとを立てて、あっさり水色の指先がはなれていく。その毒々しい色に、吐き気がする。
 いくら睨もうとも、おとこは淡いえみのまま。それどころか、ひどく愉快そうに、あっさりとジョーカーを切った。

「冷たいなぁ。俺のお嫁さんになってくれる、って言ってたのに」

 効果は抜群。
 ただでさえ悔しさでうっすら色づいていた薄桃の頬が、一気に、りんごのようにあかく染まる。 

「‥‥っ、こ、こどものころの、はなしです!!」
「今だって十分こどもだと思うけど?」
「こ、こどもあつかいしないでください!!」 
「それは仕方ないよ。ルルちゃんとエストくんのこどもなら、俺にとっても我が子みたいにかわいいわけだし」
「おことわりです、ごめんです。前々から思っていましたが、いくらがくゆうだからって、あなたは父と母になれなれしすぎると、思います!」
「だめだめ、それも仕方ないよ。だって、おれはあの二人がだいすき、なんだから」

 かすかに目を細めて笑って見せる。
 だぁいすき。だと、彩る声はむやみに明るい。少女は、はたはた、と数回瞬くと、即座に嫌そうに顔をしかめた。


「うそつき」


 一瞬にして、断罪。
 ばっさりと切って捨てる言葉は、言い訳をさしこむ余地のないほどにつめたく。言葉の温度にかかわらず、母親譲りの瞳はとろけそうに甘い色。おとこは、あどけない水面にうつる自身を眺める。瞬間、それまで消すことのなかった笑みが消えて、真空のように見えたのは、ひどくうつろな無感情。

「きみ、ほんと、エスト君に似ちゃったね」

 あぁ、それとも、ルルちゃんに似ているのかな。
 かすかに首を傾げれば、さらりと揺れる爪と同じ色のかみ。

「これでも、だいすきなんだけどなぁ。二人がすぐわかるように、こうして昔のまま格好をわざわざしてあげる程度にはね、好きだよ」
「ひとのしゅこうに文句をつけるきはありませんが、あまりいいしゅみとはいえませんね」
「へぇ、でも君のお母さんには褒められるけど?」
「‥‥‥‥‥」

 おかあさんなら、ありうる。いいかねない。
 と、なんとも言えない表情になる少女をにこやかに眺めた後。

「ねぇ、おかーさんをおとーとくんに取られて、さみしくないの?」

 突然、問いかけた。
 油断しきっていたところへ、それは予想外な攻撃だったのだ。少女は思わず言葉に詰まる。ざくりと突き刺さるような感覚。ちかりと、なにかが点滅した。

「‥‥っ!?あの子は、まだ、手がかかりますし。わたしはもう、‥‥‥‥こどもじゃ、ありませんから」

 頭の隅に、浮かぶのは。嬉しそうに弟を抱きしめ、名前を呼ぶ母親の姿。今日だって、熱が出た弟を病院に連れて行くからと、少女はこの好きでもないおとことふたりで留守番をさせられることになったのだ。けれどそれは、留守番くらいできるのだと、彼女のことを信じた母親の判断だから。弟だって、あんなにからだが小さいのだから、熱のひとつで大事にだってなりかねない。
 だから。
 だから、決して、弟だけがかわいいだとか。そんな話では。

「ふぅん?」

 目線をついと合わせると、見透かすようにのぞきこまれる。反射的に目をそらしたのは、居心地がわるかったから。くすり、とわざとらしく笑みをこぼし。


「うそつき」


 にこやかな笑顔のまま、けれどその奥にくっきり見えるのは。
 蔑み馬鹿にし見下し哀れむ、心底気の毒なひとを見るような。

 言われた言葉を理解して、おとこの表情の意味を理解して、真っ白だった頭が、当然のようにあかく染まる。
  
「っ、あな、たは‥っ!!」
「はは、怒った顔はルルちゃん似なのかなぁ」

 本当にかわいいね、お姫様は。
 そう、うそぶくおとこのことが、やはり、どうしたって好きになれるはずがないと、少女は思ったのだ。

 

(家族計画、ちょうじょのばあい。
長女は全体的にはエスト似だけれど、細かいパーツなんかはルルちゃん似。お父さんが大好き。でもお母さんも大好き。
口調はおとうさんのをがんばってまねっこ中。クラスではかなり浮きそう。)

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