年の瀬までワンド(笑
いいの、わたし、ワンド、がんばるん、だっ!!
負けない!!
ケータイのメモがエスルルのネタ帳と化していた。きもい。
昨日のカラオケで、ほかの人が歌っている間にこっそり追加してた。自重。
昨日の自主ゼミ&カラオケでは、「ああ、やっぱりなぁ」と思うことがあってへこんだり。
へこみすぎて逆に開き直ったり。
あったりしたけれど。
まぁ、いいよね。
やっぱりあなたはそういう人だったのね。って。
あなたにとってわたしは代替可能で、してもらえるからわたしだったのであり、何かを自分からしようとか、そういう意思はなかったのね。悲しいし、悔しいし、ああ、って思った。もらえなくなったら、わたしは切り離される存在なのか、と。
おもった。
かなしいなぁ、と。おもう。無性に腹立たしいとおもう私はこどもなのだろうけれど、
でも、だって。
・・・・・・はぁ。
あ、落ち込みとは関係ないけれど、あるる!
ぶっちゃけ今まで書いたエスルルのネタを鍋に放り込んで水で薄めて割った感じ。
とりあえず前回えするるの派生ネタ。いや、アルル前提なんで別次元だけど。
うちのあるばろはお子様です。を確信した。
シンデレラ・シンドロームの残像に。
「アルバロはきっと魔法使いね!」
あどけなく笑う少女を見下ろして、青年は人当たりのよさそう(に見える)笑みのはじを、ほんのわずか固めた。
図書館に行きたいの!と宣言され、さも当然のように引きずられてきたその場所で。何やら素晴らしい発見をしたかのようにそう彼女は、謳った。馬鹿だ阿呆だと思ってきたけれど、この小娘は本当にどこかイカれてしまったのか、と。その下で思いながら。
「えぇと?俺はここにいる時点で魔法使いになったつもりだったんだけど、そんなことも忘れられちゃったのかな?」
「それくらい知ってるわ!」
口の端でせせら笑っていたことが伝わったのか、ばかにしないで!と丸い頬をふくらませる。ああ、ガキっぽい仕草のなんとお似合いなことか。そう思っていた鼻先に、ずい、っと突き出されたのは、誰もが知るタイトルの絵本。明るく柔らかなカラーで彩られ、いかにも少女が好みそうなメルヘンな装丁がほどこされたそれに、ありったけ詰め込まれているのはきらきらとした、ガラス細工にも似た淡い夢だ。話の途中で忘れ去れて置き去りにされる、靴みたいに。
「流石ルルちゃん。図書館に行きたいって言うから、どんな高尚な本を読むのかと思えば。うん、期待を裏切らないチョイスだったね」
「いいの!好きなんだもの!!」
「で、それの魔法使いが、なんだって?」
「アルバロが、ここに出てくる魔法使いみたいよね、って言ったの!」
言われて頭を巡ったのは、うつると評判の某口癖。つまり「意味が分からない」。
記憶に依れば、その童話の魔法使いは少女の願いをかなえてくれる所謂「善い」ものだった気がする。そんなものに見られている、わけがないのだが。意味をとらえかねることを見越しているのか、にっこり、と確信めいた笑顔はこう続けた。
「この魔法使いさん、彼女を舞踏会に行かせてあげたときには、王子様とうまくいくなんてきっと思ってなかったと思うの。ただほんの一瞬、まぼろしみたいな幸せな夢だけを見せて、つきつけるの。彼女の現状を。あなたの見ている夢は、けしてかなわないのよ、って、叩き落すの。この子は平気なかおをしているけれど、それって、本当はとってもひどいし、無責任だわ。」
ほら、アルバロみたい!そういって、小鳥のようにかわいらしく小首をかたむける。
さえずる様な愛らしい声音も、世間的には愛おしまれる類のしぐさも、もしかしたらこの娘は、計算してやってるんじゃないか、と。ほんの一瞬でも疑いたくなるのはこういう時だ。
-----まぁ、どうせそんなことは、ありはしないのだけれど。
「そういうこと言うんだ?」
「だって間違ってないでしょう?アルバロ、そういうの好きそうだもの」
「まぁ否定はしないけど。でも、そういう風に知った顔されるのは嫌いかもね」
「うん、そんな気もした!」
あまりにもにこやかな肯定に、ちらりと無感動な色をのぞかせて青年は少女の瞳を覗き込む。
「じゃあルルちゃんはさ、『魔法使い』の俺が、『お姫様』の君に対してもそうするとか、もしかして思っちゃってるわけ?」
「そうなの?」
「俺が聞いてるんだけど」
名状しがたいかすかな苛立ちは何に対してだろうか。奇怪なそれを抱え込むこと自体がすでに腹立たしい。そんなものさえ逃さず見透さん、とするかのように、透明度の高い瞳がまっすぐ向けられる。ぱたぱた、と淡い色のまつ毛が幾度かまたたいて。ふ、っと。少女が浮かべるのは。
「だって私は、お姫様じゃないもの。王子様のところなんて行かないわ。王子様のことが好きなわけでもないのに!」
不意に。それはひどく唐突に。
向けられた無垢な瞳に。純粋で面白いほどにまっさらなそれに。映り込むのは、とろけるような微熱。揺らめくそれは、メルヘンな色彩にあまりにそぐわない。ぎくり、とするまでいかずとも、わずかに驚いたのは、確かだ。
ーーーけれど、そんなものは瞬く間に消えて、次の瞬間に彼女に浮かぶのは、童話を好む、見慣れたこどものすがただった。
「それに私は、魔法使いがとってもとっても悪い魔法使いだって、もう知ってるもの!簡単には、騙されてあげないんだから」
くすくす、と楽しげにこぼすやわらかさに、知らず息をついていた。その事実さえひねりつぶして、知らずに目に険が宿る。確かに、これはお姫様ってがらじゃない。むしろ、そういってかろやかに微笑む少女の方こそ、魔女の類なのではないだろうか。
最近そう思うことが増えてきた「魔法使い」は、せめて、と呪文のように生意気なことを口走る、その桃色の唇を掌でおさえつけてやるのだった。
(アルバロが高2です。23歳?ウソだろ?みたいな状態になりつつある。あれ?)
(アルルのルルは、お姫様ではいられない。大変だね。エスルルだったらお姫様なんだけど)
(あ、もちろんあくまでうちのアルルは、って話ですけど!)